母が一番美しいポーズ?!

 

「聖母の画家」と言われるラファエロは50点ほど聖母子画を残しています。
伏し目の聖母が多い中、この作品は我が子イエスをしっかりと抱っこしています。
しかも、こちらに目線を向けているので、絵の中から見られている感じです。
だからいっそう印象に残るんでしょうね~

作品名:小椅子の聖母
製作年:1514年
サイズ:直径71cm
所蔵 :フィレンツェ ピッティ美術館
作者 :ラファエロ・サンティ(伊)1483~1520

聖母といえば青いマントの下に赤い服がお決まりなんですが、(青=天の真実、赤=神の慈愛)
このモデルは緑のショールにターバンもしていますね。
光の輪と、傍らのヨハネと十字架がセットだから宗教画なんだと分かります。
近寄りがたい感じではなく、若さ溢れ優しそうなマリア。眼差しは少し憂いを帯びています。
モデルは諸説ありますが、優美な女性がラファエロ作品の魅力と言えそうです。
幼くして孤児となったラファエロ・・・追い求めた母性が作品に表れているのかも?!

この、我が子を抱っこするママの姿、個人的に一番ママが美しく見えるポーズだと思います。
母となったオーラが無意識に出ていて、母子の結びつきを強く感じさせるような・・・。
子供をずっと抱っこするのは大変なんですけどね~腱鞘炎になる方も珍しくありません。
本当、腕・首・腰(あ~もう全部だし!)あちこち謎の痛みに襲われますよね。
絵の中のマリアもムチムチ栄養満点な我が子の重みに耐えているはず。(この坊や何キロ?)
抱っこ真っ最中のママさんも、イヤイヤ期真っ只中のママさんも、ママはいつも大変ですね。
我が子の成長と共に頑張り続けるママさん。本っ当に、今日もお疲れ様です!!

ルネサンス3大巨匠の一人であるラファエロは、ダヴィンチ、ミケランジェロより大分若く、
二人の作品からも多くを学んだとか。ルネサンスの総まとめがラファエロ作品ともいえます。

優しく社交的で綺麗な顔立ちのラファエロはモテたそうです。
女性好きが仇となり高熱を出したとも伝えられるラファエロ。
医者に瀉血(何と血を抜きます!)されたのが原因で急死したとされています。
若死にしなければ、イタリアはもっともっと聖母子の絵で溢れていたのかも・・・
(今回は宗教画ですが、あくまで母子愛を表す美しいアート作品として紹介しました。)

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